COLUMN
社内向けAIチャットボット!? 構築エンジニアに機能や裏側をインタビュー!
皆さん、こんにちは!
バレットグループはIT企業として、日々進化を遂げるITにアンテナを張りながら事業や活動に取り組んでいます。
その中でもユニークな取り組みとして、今回は先日社内向けに構築されたAIチャットボットについてご紹介します!
すでに世の中にも波及しているAIチャットボットですが、それを社内向けに?ということで気になる方も多いのではないでしょうか?
その取り組みや構築秘話などを、構築者の武宮 北斗(たけみや ほくと)さんにインタビューをして伺ってみました!
・・・
社内向けAIチャットボット!? AIをより身近に感じて使いこなそう!
OpenAI社のChatGPTを代表に様々なAIチャットボットが世に出ている中、つい先日、バレットグループでも社内で使用できるAIチャットボットが生み出されました。
構築を行ったのはコーポレイトIT室KAIZEN推進チーム システムマネジャーの武宮 北斗さん。
社内の様々なシステムを統括して管理されている武宮さんですが、なぜ今回AIチャットボットを作ったのか、その内容や技術的な面についても色々伺いました。
今回AIチャットボットを作ろうと思った背景と目的
生成AIの活用が世間では話題になっていますが、バレットグループ社内では具体的な話はあまり上がっていない印象でした。個人的にAIチャットボットなどを使用してシャドーITをされている方がちらほらいるのは知っていましたが、やはり会社の情報を提供してしまう恐れもありますし、IT企業としてセキュリティやコンプライアンス的な懸念は拭えません。
シャドーITとは:シャドーIT(シャドーアイティー、英語: shadow IT)とは、企業や組織が正式に把握や管理をしていないにもかかわらず、従業員や部門が業務に利用している情報技術(IT)のことを指します。これには、デバイスやクラウドサービスなどが含まれます。
そんな折に、生成AIプログラム構築のためのノーコードツール Difyというプラットフォームを発見して、これを使用してAIチャットボットを作成すれば全社的に安心してAIが使用できるのではないかと考えました。上司とCTOの小幡に直接相談をすると即了承を頂けたため、すぐに制作に取り掛かりました。もちろん、提案のために様々な情報を仕入れて準備はしましたが、こうしたスピード感ある取り組みができるのはベンチャー企業ならではの空気感がありますね。
セキュリティの側面を踏まえての提案ではありましたが、もともと個人的にも Dify の使用経験があり、自分の子供たち向けに画像生成ができるチャットボットを作成して利便性を実感していたので、社内の人にもぜひ使ってみてもらいたいという思いもありました。
時流的にも社員のAI活用やリテラシーを上げ、より効率的に業務に取り掛かれることも目標に据えていました。
チャットボットの概要:主な機能と特徴
今回作成したAIチャットボットは2種類あります。
外部サイトの情報も検索してまとめてくれる自立型エージェント「Bullet Butler(多機能タイプ)」と、AIの持っている知識の中で返答をする「ChatBLT(シンプルタイプ)」の2種類です。
社内には営業職もエンジニア職もいるためそれぞれの職種に合わせた内容に特化させるというよりは、リサーチをメインとしたAIチャットボットの方が活用しやすいだろうと考え、今回のようなリサーチメインのチャットボットに仕上げました。
Bullet Butlerはバトラーとついているように、執事のように振る舞ってサポートしてくれるよう意識して作成しました。WEB検索する機能を持たせることでWikipedia や StackOverflow などの記事情報から得た情報を基に、使用者の目的に沿った回答をまとめて提供してくれます。また使用者から渡された記事やURLを参照することも可能です。上手く使えば、名前の通り専属の執事がいるような動きをしてくれます。
一方、ChatBLTはよりシンプルにしたAIチャットボットです。
シンプルというのはつまり、外部検索を行わない仕組みにしているので、社内だけで扱いたい情報などを聞けるのが大きな強みです。AI学習をしないように設定されているからこそ、安心して情報管理ができるのはIT企業の情報管理システムとしても重要な部分ですね。
一言メモ:ChatBLT(シンプルタイプ)はChatGPTをもじっています。
構築の際に使用した技術やツール
構築時に使用したAI基盤モデルはAmazon Bedrock(アマゾンベッドロック)を通して利用しています。チャットに入力した内容が学習されるのを防げるので、情報が外部に漏れずセキュリティが担保出来る仕組みとなっています。AIチャットボットと会話すると、Bedrockを経由して Anthropic Claude(アンソロピック クロード)という基盤モデルが生成に利用されます。このAnthropic社にも情報を提供しないようになっているのが強みですね。加えてバレットグループはAWSパートナーに登録をしているので、構築側としては、なにか困ったことがあればAWS社のシニアアーキテクトにサポートしてもらえるという利点もあります。
今回、制作期間は提案から2週間ほどで行いました。
元々ミニマムなものを想定していたので、1台のサーバーを立ててDocker(Docker社が構築するコンテナ型の仮想環境の作成・配布・実行に利用するプラットフォーム)を用いてDifyを立ち上げて提供しています。
また、チャットボットの精度を高めるためにLangfuse(ラングフューズ)を用いて分析を行い、品質の保持も行っています。
構築に際してのこだわりなど
構築にあたってこだわったのは、プロンプトの設定ですね。
プロンプトというのはAIに役割を与える指示文のことなのですが、この設定を行うことでAI自身がどのような振る舞いをするかが変わってきます。
Bullet Butlerでは先述したように執事のように振る舞ってほしいなと思ったので、その指示も入れています。
ただ、最初はエラーが連発したりなどのトラブルもありながらでしたが、自身で日々使いながらプログラミングのお困りごとなら StackOverflow を検索しよう、など細かく調整を行いました。
一方、苦しんで作っていたわけではなく個人的には楽しんでやっていた要素が強いのですが、特にそれを感じたのは実際の使いやすさを感じたときですね。
外部のチャットボットを使うよりも自分で作ったものの方が細かい調整ができるので、より便利に使えるというのが楽しいですね。完成するにつれてその気持ちはどんどん高まっていきましたし、より使いやすくするためのカスタマイズを様々行ってみました。
また、最近追加で「逆アキネイター」というAIチャットボットと行うゲームを作ってみて、こうしたAIに躊躇いがあっても興味が惹かれるようなツール展開など、幅広く行うことができるのもワクワクしますね。
ちなみにこの逆アキネイターのプロンプト生成はBullet Butlerに作ってもらったので、制作時間は15分ほどでできました。
アキネイター(Akinator):人工知能を使用したウェブベースの質問ゲーム。逆アキネイターとは、人工知能側が正解を決めて使用者がAIに質問して答えを推測するゲーム。
このように、生成AIを使うことでプログラミングの細かい修正や学習をサポートしてもらうと、自分の本来の目的に目を向けられるようになりますし、ショートカットして取り掛かりたいことに集中できるのが良いなと思います。
作ってみての感想や反響
作った後に使ってくれた人たちからも様々な反響を頂きました。
嬉しかったのはやはり、AIを上手く活用して自分にない視点に気づけたと言ってもらったことですかね。1人で考えても限界があるので、その思考をサポートする役割として使ってほしいなと思いますね。
また、「伝えたかったことを言語化できた」や「自分で検索するよりもAIが検索した方が精度が高い」など、使用者が悩んで止まってしまう時間を短縮できているのは素晴らしい成果ではないかと思います。
今後の展望について
今回作成したAIチャットボットは足がかりだと思っていて、今後はより専門的なところに特化したものを作成したいなと思います。バレットグループで扱っている事業の広告に特化した内容やASPの成果分析に役立てられる仕組み、人間だと見逃してしまうような生データの分析ができるAIなどを作ってより社員の労力を下げることに貢献できたら、社員も他にやりたかったことに注力できるのかなと。
他にもバレットグループの社内規則について総務労務の人に聞くのではなく、AIが回答できるように設定してバックオフィスの方々の工数を削減するなど、色々可能性があると考えています。
・・・
皆さん、いかがでしたでしょうか?
社内で安心して使えるAIチャットボットの登場は、革新的な出来事だと思います!
こうしたユニークな取り組みをスピード感を持って行えるのも、バレットグループならではだと感じました!^^
実際にAIチャットボットをご紹介!!
本来はバレットグループ社内でしか使えないAIチャットボットですが、実際にどんな素晴らしい内容なのかをお届けするために、少しだけ紹介しちゃいます!
【Bullet Butler(多機能タイプ)】
今回のインタビュー記事で分からない単語があったとき、Bullet Butlerに聞いてみました!
分からない単語を聞いたら自分で調べてきてくれて、細かく情報をまとめてくれました。
すごくわかりやすく説明してくれたので、専門用語への理解も更に深まりますね^^
また、単語がそもそも曖昧だとしても会話のような形で投げかけられるんです!
「確かこんな感じだったんだけど〜」という記憶が曖昧なものって、検索エンジンだとワードが浮かんでないからこそ調べることも困難ですよね……。
そんなときに上手く相談に乗ってくれるのがBullet Butler!
人間の曖昧な記憶を呼び起こす手伝いをしてくれたり、上手く言語化して答えを導くサポートをしてくれます。
【ChatBLT(シンプルタイプ)】
こちらは情報が漏れない分、社内の情報などを安心して扱えます。
今回はこのインタビューを書くにあたって構成の相談をしてみました!
外部のリサーチを行わなくても賢いAIが相談に乗ってくれるので、何かに行き詰まったときは考えをまとめるために頼ってみるのもおすすめです^^
【番外編:逆アキネイター】
AIチャットボットの可能性は無限大!
そう感じさせてくれたのがこの逆アキネイター。是非皆さんにも遊んでみてほしいです^^
今回私は「有名なアニメキャラクター」を当てるというテーマを決めて、AIに答えを決めてもらいました。
自分が質問をすることで答えを導いていくのは、意外と難しいんですね……!
何を質問しようかなと迷ったときに、AIがすかさず「こういう質問はいかがでしょう?」と提案してくれるので、発想や選択肢が広がる感覚がしました^^
また、私が質問をすると「とても良い質問ですね!」と褒めてくれるので、段々楽しくなってきて「絶対に当てるぞ〜!」という気力が湧いてきました(笑)
今回はBLEACHという作品の「黒崎一護」というキャラクターが正解でした。
AIサポートのおかげもあり、無事に正解を導くことができてとても楽しかったです^^
また、質問の仕方をアドバイスしてくれるので、今後人との会話の中で話題を引き出すときの勉強にもなりました!
まとめ
AIと言うと「未知のもの」「まだ発展途上だから触れなくて良いのでは」と思う方ももしかしたらいるかも知れませんが、今やAIを使う人と使わない人で情報量や作業効率に大きな差が生まれている時代です。
新しいものに好奇心を持って触れてみるという姿勢は、ベンチャー企業・IT業界のバレットグループでは当然求められる素質であるのと同時に、成長し成功を収める人の特徴でもあると思います!
社内でこうした取り組みを行える機会を積極的に活用して、自身のさらなる成長につなげる社員も増えてくると思います。
ITに対して感度高く、スピード感を持って取り組める環境に興味を持った方は、是非一度面談や選考にお越しください^^